ある一日の民生・児童委員の活動日記

「今日は、お元気ですか」と声を掛けて、一人暮らし高齢者宅を友愛訪問して歩く。家の奥から「お陰さまで、元気でしたよ」の声と一緒に笑顔が見える。ホット安心する一瞬である。玄関先で暫く立ち話をする。お孫さんの話、息子さんや娘さんの話に続いて、ご自身の身体のことに話が進む。最近外出が面倒になったこと、物忘れがひどくなったことなど。頷きながらゆっくりと話を聞く。趣味のパチンコの話に相槌を打ち「又きますから、それ迄お元気で、何かあったら連絡してね」と「訪問販売不要」のシールを玄関脇に貼って帰ってくる。 学校から「不登校の児童がいるので、ご家庭の様子を調べて」と電話連絡が入った。父子家庭のこの家は、父親がメーカーに勤めている。勤務が三交代制で、時に深夜勤務となる不規則な生活を余儀なくされていた。小学校高学年のこの子は、夜一人の生活が不安だった。日中は、疲れて帰ってくる父親を気遣い、学校に行かずゲームセンター等で時間を潰していた。一旦、夕方父親が出勤後に帰宅するが、一人寝の寂しさから夜の繁華街を出歩くようになった。まず父親にお会いして、お子さんの近況を話して相談した。父親は子供のこうした行動は知らず、子供の寂しさを理解してやれず申し訳ないと話していた。暫くして学校から「毎日元気に登校している」と嬉しい電話連絡があった。その後父親を再訪、会社に事情を話して深夜勤務の回数を減らして貰った。早い時期に相談を受け良かったと話され、一安心した。 「息子さんと二人暮らしの母親の様子が最近おかしい」と民生委員の一人から相談を受けた。70余歳の母親は、最近多少認知症の兆候が見られた。息子は40余歳で結婚はしていない。今迄は母親の面倒を見ながら、自分は勤めに出ていた。認知症の兆候が現れてからの母親は、家事はできず昼夜構わず徘徊するようになった。時々近所に行っては、食事や金銭を無心するようになった。息子は母親の面倒が見られなくなっていた。 早速行政に連絡すると同時にお宅を訪問した。母親は私達との受け答えはしっかりしていた。息子さんが貴女の事を心配して勤めに行けない事を、ゆっくりとお話をした。行政側にも施設に入居できるよう、すぐ手を打ってくれた。約1ヶ月後介護保険の適用も決まり、施設の入居も決まった。息子さんは母親の入居後も1週間に1度は必ず訪問して見舞っていくと施設からも連絡があった。大事になる前に解決できて良かった。 私は民生・児童委員の信条とは別に「地域住民の福祉は地域住民の手で」をモットーとしている。最近の行政でも「地域包括支援センター」を各地に設け、地域の民生・児童委員等からの相談に親身になって受けてくれている。 高齢化が進み、少子化が問題になって久しい。私達民生・児童委員は「守秘義務」を厳格に守り、地域の皆様の「困りごと相談員」としての責任と誇りを持って活動しています。